医療・介護

2015年6月30日 (火)

東京圏の高齢者に地方移住をすすめるのは大きなお世話だ

 あっというまに、今日で今年の前半が終わり。
 ブログの更新、また3か月半もサボっておりました。
 この間、子どもの小学校入学、PTAクラス委員立候補&就任、参観、運動会、個人懇談など、怒涛のように過ぎていきました。

 一学期も残り3週間となり、ようやく、新しいタイムスケジュールに慣れてきて、しかも今日は第5週なので子供の水泳がお休み(*^_^*)
 頭の中であれこれ考えていたネタから、時事問題と自分の個人的な事情がリンクしたネタをとりあげたいと思います。
 

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2015年1月24日 (土)

インフルエンザにご注意を

今年もインフルエンザの季節になりました。
実は、このブログを再開した1月の初め、私自身もA型インフルエンザに罹り、熱に浮かされておりました。

 1月4日の日曜日の夕方に帰省先から岡山に戻ったところ、喉の痛みと寒気に襲われました。お風呂でしっかり温まり、葛根湯を飲んで寝たら落ち着いたので、月曜日は新幹線と特急を乗り継いで仕事に出かけました。帰りの新幹線で、再び寒気がして喉もイガイガ。火曜日の朝は倦怠感と寒気がさらにひどく、ゲホゲホ咳が出ます。
 この時点で自宅静養を選択すべきだったのですが、この日は子どもの幼稚園の始業式&お餅つき。年長組の保護者として手伝いに行く予定だったし、午前中はハウスキーパーさんが来るので寝る場所もなく、また一旦寝てしまったら12時に子どもを迎えに行く自信がない。。。と色々葛藤した末に、雨の中、マスクを2枚重ね、しっかり防寒してお餅つきの手伝い行きました。帰宅後、倦怠感と関節痛が半端なく、布団にもぐりこんでも寝付けない。。。それでもうとうと寝たり起きたり、炬燵で暖まったり。熱は38.9℃まで上がりました。 
  

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2015年1月 6日 (火)

高齢化社会の支え手

 1年1か月ぶりの更新です。
 気にして下さった方、ご心配かけてごめんなさい。

 2014年の4月から子どもがかなりハードな幼稚園に転園し、またこの4月からの小学校をどうするかなど、これまでは保育園に丸投げしていた子育てにかける時間とパワーがこれまでと比べ物にならないほど大きかったのです。

 遠方の親戚への近況報告はFacebookでするようになったので、日々考えたことや勉強(できるかしらん?)したことを中心にしたいと思います。
 

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2012年12月22日 (土)

冬の風物詩~ノロウイルス感染症

 先日、ブログのテーマを「落ち葉」に変えたばかりですが、あっというまに落葉樹は丸裸になってしまい、慌ただしく雪山に変えてみました。昨年、雪山デビューしてすっかりとりこになった我が家の男子達。今シーズンはいつ行かれるでしょうか。

 12月に入り、嘔吐下痢の患者さんが増えて来ました。12-3年前、東京の下町の救急病院に勤めていた時は、冬から春の間、救急外来の点滴台が足りなくなるほど嘔吐下痢の患者さんが押し寄せたものでした。感染症科の先生から、「この時期の患者さんのほとんどはSmall round shaped virus(SRSV、小型球形ウイルス)が原因だよ」と教えていただきました。そう、今でいうノロウイルスです。当時は便の中のウイルスを電子顕微鏡で観察することでしか診断がつけられませんでした。

 その数年前の研修医時代に、私も病棟でカルテを記載していたら突然の悪寒、発熱に見舞われ早退。その晩に突然胃の膨満感と痛みがやってきて、朝まで嘔吐と水様下痢でトイレから出られない状態になったことがあり、おそらくノロウイルスにやられたのだろうと思うのですが、当時は知識はなく、数日自宅で療養したのちに復帰しました。

 そんな訳でノロウイルス感染症は昔からこの時期に流行していたのですが、宿泊施設や介護施設などでの集団感染の事例が明らかになり、また診断キットが市販されたため、「下痢で休んだら病院へ行って来いと職場で言われました」と受診される方が後を絶ちません。残念ながら健康保険で検査できるのは3歳未満や65歳以上で重症化が懸念される方、免疫を抑える治療を受けている方、など限られていますし、治療法が変わる訳ではないので、吐き気止めや整腸剤を処方して、手洗いの指導などを受けてお帰りいただいています。

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2012年6月 2日 (土)

健診を受けて考えたこと

 早いものでもう6月。時折、蒸し暑く感じますが、まだ扇風機やエアコンがなくても過ごせますね。昨年の震災以来、電気の有り難みが身にしみます。古い借家なので太陽光発電やガス発電はありませんが、南側の軒が深くて窓が多い夏涼しく過ごせる作りです。猫の逃亡と外出時の閉め忘れに気をつけながら節電の夏としたいと思います。

 ところでこの時期、職場で健診を受けられる方が多いと思います。私も週1〜2日の非常勤になってからも、職場(病院)で受けるよう言われるので受けました。もう40歳を越えているので、腹囲も測る特定健診です。胸部X線検査はほぼ毎年受けていますが、胃がん・大腸がん検針は実は受けたことがありません。子宮頚がんは妊娠するたびに検査してるので、約2年毎に受けています。乳がんは10年くらい前にマンモグラフィーを受けて、あまりの痛さにびっくして、次回は超音波で受けようと決意したまま実行してませんが、リスクを下げるためなるべく頑張って授乳してました。胃がんはどうせなら被曝の多いバリウムでなく(まだ二人目の子供をあきらめた訳でないので…)胃カメラでしよう、と思いつつ放置。便鮮血も引っ掛かったらどこで内視鏡を受けよう?と躊躇。恥ずかしいのを我慢して職場で人間ドッグに入るのが手っ取り早いのですが、乳腺超音波は外科、子宮頚がんは婦人科でそれぞれ別(T_T)まだ三歳の長男が独り立ちするまでは生きてなくては…と思うのですが。

 世間では「日本人の三人に一人はがんで亡くなるから早期発見・治療を」と検診受診をすすめています。まだ扶養する家族がいる私のような場合はそう思います。でも最近病院でお会いする超高齢者の方々も六十代以降に一つか二つの癌を克服してこられた方が多いのです。病院に来られるのですから、お元気な訳ではありません。まさに「生老病死」の「老病」と闘っておられます。自分だったら、親を見送り子育ても一段落していたら、俳優の入川保則さんのように苦痛を和らげる治療だけお願いして、あの世にさっさと渡ってしいたい…と思います。母も祖母も呆けたので、あまり長生きすると周りにご迷惑をかけそうです。母方は癌家系ではないので(肺癌で亡くなった叔父はヘビースモーカーでした)、ちょこちょこ癌が出現している父方の血に期待です。一歳年上のツレアイは、独り暮らし歴が長かったし多趣味なので、きっとやもめになっても大丈夫…などと、半ば真剣に考えてしまいました。

2012年4月29日 (日)

大往生したけりゃ医療とかかわるな 「自然死」のすすめ 中村仁一 を読んで

 桜が散ったと思ったら、初夏の陽射しを浴びてハナミズキが咲き、駆け足で季節が移っていきますね。
 ハワイ旅行の顛末も終わっていないのですが、先日の内科学会総会で宗教学者の山折哲雄さんの講演で紹介されていた本について書きます。

 表題はかなり過激です。著者は病院長・理事長職を経て60歳(2000年)の時から特別養護老人ホームの配置医をされています。不整脈の発作をきっかけに仏教の勉強をされ、1985年から「病院法話」を開催、1996年から「自分の死を考える集い」を主宰されていて、「知る人は知っている」存在だったようです。

 12年間の老人ホーム勤務で、最後まで点滴注射も、酸素吸入もいっさいしない「自然死」を数百例経験され、「死」という自然の営みは、本来、穏やかで安らかだったはず、と書かれています。(具体的には生命力が衰えてくると飲み食いの必要がなくなり、「飢餓」で脳内でモルヒネ様物質が分泌されいい気持ちになり、「脱水」で意識レベルが下がりぼんやりとして、呼吸が悪くなり酸欠から脳内モルヒネ様物質が分泌され、炭酸ガスによる麻酔作用により、痛みや苦しみもなく、安や恐怖や寂しさもなく、まどろみのうちに、この世からあの世へ移行することになると解説されています。)それを、医療が濃厚に関与することで、より悲惨で、より非人間的なものに変貌させてしまった。

 最近増えている胃瘻について、いのちの火が消えかかっている状態での胃瘻は、回復させることも、生活の質の改善も期待できないしどころかかなりの苦痛と負担を強いることになる、と胃瘻歴4年、85歳で亡くなった女性の関節が曲がって固まった手足の写真を載せています。「胃瘻が実施される理由として、医療者側の、できることはすべてしなければならないという使命感、また、家族側の、しないと餓死させることになる、見殺しにはできないという罪の意識を挙げています。その背景にまだまだ先と思った親の死が、いきなり目の前につきつけられ、もっときちんとかかわりを持っておくべきだったていう自責の念から延命措置である強制人工栄養に走るのが大部分、と厳しい指摘。辛くても「死ぬべき時期」にきちんと死なせてやるのが"家族の愛情"というものでしょう。その通り!と膝を打ちました。

 また、年寄りの最後の大事な役割は、できるだけ自然に「死んでみせる」こと、「自然死」を家族に「看取らせる」ことにあり、そのためには本人の決心、希望だけでなく、介護してくれる家族に負担をかけず、症状の急変した時の対応に不安を感じないよう、「信念」と「覚悟」が必要と説いています。「死ぬ時のためのトレーニング」について指南されていますし、自宅で事切れた時に家族が「保護責任者遺棄致死の罪」で取り調べを受けないように、死亡の確認と死亡診断書の発行をしてくれる家庭医が必要、と非常に実践的です。

 著者の死生観に影響を与えた父親の死にっぷり、「自分の死を考える会」のこと、人生の節目に生き方を振り返る「生前葬」のすすめ、意思表示不能時の「事前指示書」の重要性、超高齢者のがん(天寿がん)のことなど、たいへん読み応えがあり、幻冬舎新書\760はお買い得でした。某ショッピングサイトでは、「がんは抗がん剤や放射線などの治療で痛めつけなければ痛まない」というのは信憑性がない、というレビューがありました。この点に関しては、著者も「発見当時に痛まなければ」と注釈を入れられていますし(痛みがあれば当然病院で手当てを受けられます)、特別養護老人ホームへの入居者は「ぼけ」が進んだり、活動度が低い方が多いためかな?とも思います。がんに関する記述にのみとらわれない方が良いと感じました。

 私事ですが、明治生まれの父方の祖母は、脳梗塞で体も頭も不自由になり、自宅に戻って来ました。食が細ってきた最期の頃、介助しなから「なぜ食べないの?」と問うた私に「だって、おばあちゃんが長生きしたら、パパもママも(私の両親のこと)困るだろ」と澄んだ目で答えたので、返す言葉に困りました。それから数日後の夜中にひっそりと息を引き取ったのですから、見事な「死にっぷり」。その影響か、病院で点滴や人工栄養で生かされているお年寄りを診ると申し訳ない気持ちになりますし、本書の趣旨に強い共感を覚えます。何時かこの思いを仕事に生かせる日が来ますように。 

2012年3月 4日 (日)

いったい何で死ぬのでしょう?

ぶっそうなタイトルですみません。

3月2日の朝刊に、「3大死因」最低に という見出しで、厚生労働省がまとめた2010年の「都道府県別の死亡状況」が発表されていました。

都道府県ごとに異なる年齢構成を調整し、10万人あたりの死亡者数を男女別に算出したもので、全体では男女とも死因別の死亡率(死亡数)のトップはがん(男性182.4人、女性92.2人)で5年前の前回調査よりそれぞれ15.3人、5.1人低下し、過去最低を記録。心疾患(男性74.2人、女性39.7人)と脳血管疾患(49.5人、26.9人)も、過去最低だった前回調査を下回ったとのことです。3大死因については都道府県別の死亡率の低い方と高い方の順位が3位まで掲載されていました。また3大死因の他には自殺の死亡率について、少し触れられていました。

亡くなる方が減った、ということは喜ばしいのですが、私がひっかかったのは「全国で健康対策が進み、死亡率が低下している。調査結果を分析し、さらに対策に役立てたい」という厚労省のコメントです。死亡=悪という意識が透けて見えます。

がんを健診で早期発見治療し、喫煙・高血圧・糖尿病・高脂血症などの危険因子をコントロールして脳卒中や心疾患を予防することで長生きされる方が増えたのは実感できます。私が駆け出しの内科医だった頃、外来に通って来られる方は60歳代、入院される方は70歳代が主力だったように思います。20年弱たった現在、それぞれ15-20歳ずつ年をとっておられます。90歳を超えても、予約の日には一人でバスに乗って、時には自転車で外来受診される患者さんには敬服のかぎりです。

しかし、人間、生まれてきたら必ず死ぬのは自然の摂理ですが、厚労省同様にそのことを当たり前と感じておられない方が増えているように思います。最近、80歳を超えたお母様方に付き添って来られた息子さんに「大学病院で検査を受けさせたい」とか「胃カメラや血液検査はどれくらいの頻度で受けさせれば良いか」などと相次いで相談されました。また、明らかに老衰で嚥下する力が低下しているのに、「食べられないから胃ろうを作って下さい」と紹介されてくる患者さんもいらっしゃいます。

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2011年9月30日 (金)

「平穏死」のすすめ~口から食べられなくなったらどうしますか~を読んで

つい先日、Facebookを始めました。高校の同期生のグループへの参加するためでしたが、次々に”友達”から発信されてくるニュースフィードに追いつくのが大変で、普段はたまにしか開かないノートPCにかじりつく日々でした。だんだんペースが掴めてきましたが…

ところで、今年の夏休みは長期休暇をとらなかったので、7・8月は週1回の鳥取通いで読書が進みました。有川浩さんの自衛隊シリーズ「塩の街」「空の中」、海堂尊さんの「チームバチスタの栄光」を読破。John Irbingの "The Cider House Rules" も電子辞書片手に読み始めました。その分、学会誌の方はおろそかになっていて反省_(._.)_

今年の3月頃に読んだ本で、ずっとブログに書こうと思っていたのが、特別養護老人ホーム 芦花ホーム 医師 石飛幸三さんが書かれた『「平穏死」のすすめ』です。副題に「口から食べられなくなったらどうしますか」とあります。

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2011年6月21日 (火)

「満足死 寝たきりゼロの思想」を読んで

先週末、長男を連れて東京の実家に帰ってきました。

いつもは法事や旅行の前後にあわただしく寄るだけだったので、今回は三泊四日でのんびり。友人一家とも食事できたし、電車を乗り継いでツレアイの実家にもお邪魔してきました。長男はほうぼうで祖父母や従兄姉、叔父母にかわいがってもらい、元気に帰宅しました。新幹線や電車の中ではよく寝てくれ、助かりました。

ところで、以前読んだ本をブログネタにしようと思いつつ、帰省の準備などで先延ばしにしていました。「満足死 寝たきりゼロの思想」 です。

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2011年5月31日 (火)

「病院ベッド抑制」の記事を読んで

昨日と今日は、岡山では貴重な梅雨の晴れ間でした。

洗濯はもちろん、窓を開け放って部屋の掃除、家の周りの落ち葉掃きなど、やることはいくらでもあります。ツレアイには「一日中家にいて何をしているかわからないけど・・・」と言われますが。

ところで、一昨日の5月29日の朝刊で気になる記事を読みました。日本経済新聞の第3面の”「病院ベッド、30万床抑制」 厚労省25年メド 入院日数も1/3削減”という見出しで始まる記事です。

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