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2013年1月 7日 (月)

「千日紅(せんにちこう)の恋人」 帚木蓬生(ははきぎ ほうせい)を読んで

 新年、あけましておめでとうございます。お正月休みは皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか?

 10年ほど前にツレアイと知り合ってから、毎年ツレアイの実家で年越しをします。ツレアイは4人兄弟。それぞれの家族が一つの家に集結する様は昨年のブログにも書きました。
http://tokidoki-naikai.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-95b7.html

 今年は13歳、11歳、6歳の姪達が成長して、お掃除や食器の片付け、4歳の長男と2歳の姪の遊び相手、と大活躍。1月2日の朝食は上の二人がクレープを焼いてごちそうしてくれました。私達は12月30日に着いて、31日には近くのモールへ出かけてしまったので、お節の準備はすっかり義母任せ。義母にもしものことがあったら、このお正月風景はどうなってしまうのだろう、と危機感を覚えつつ、買い出しや年越しそば作りで少しばかり貢献したのでした。

 
 
 明けて2日に私の実家へ移動。父と姉一家三人の静かな家で、長男と小学校3年生の甥が仲睦まじく遊ぶ様子につい顔が緩みました。3日は父の喜寿のお祝いで外食。その前に、姉と二人でデパートへ出かけてお祝いにセーターを買いましたが、姉妹で出かけるなんて何年振りか…母の遺品のジュエリーの整理までは手が回らず、近々の再訪を約束して、岡山へ帰ってきました。

 知り合いのご夫婦には、相手のご両親と合わないため、夫婦で実家へ帰るなんて考えられない、なんて方もいらっしゃるので、こうして短い間ながらも実家を行ったり来たりできるのはありがたいことです。

 ところで、父が帰りの飛行機で読むようにと渡してくれた文庫本が「千日紅(せんにちこう)の恋人」 です。 帚木蓬生さんの作品は「風花病棟」「蝿の帝国」に続いて3冊目。2005年の作品が2008年4月に文庫化され、2010年12月には十一刷です。

 

 
 

 舞台は「扇荘」という古いアパート。2回の結婚に死別と離婚で破れ、父親の遺したアパートの管理人をしながら、特別養護老人ホームでパートで働く38歳の時子が主人公です。やっと汲み取りトイレから水洗に変わった家賃が三万円のアパートには、精神疾患を抱えて入退院を繰り返す須磨さん、パチンコ依存症の加東さん、育児ノイローゼの南田さん、夫婦喧嘩が高じて刃傷沙汰を起こす日向夫妻、自室で亡くなりお葬式をあげてもらった善次郎さん、など一筋縄ではいかない入居者ばかり。時子は、月末に集金に回るついでに部屋の中もさりげなくチェックして、時に厳しく、時には優しく接している。暴力団員や警察官とも堂々と渡り合う度胸も持っている。そして、新しい入居者の好青年、有馬さんに魅かれて行く、というラブストーリーです。

 時子と有馬さんの恋の行方にはらはらドキドキしつつ、高齢者介護や終末期医療、精神疾患患者への接し方、パチンコを始めとする依存症の問題、など様々なことがすーっと入ってくる小説でした。1月4日の仕事帰りの電車の中で数ページ読み始めて止まらなくなり、子供が寝たあと一気に読んでしまいました。時子はなかなかの料理上手で、有馬さんは園芸好き。帚木さんはこのお二つが得意なのかしらん?と楽しい想像も掻き立てられました。

 父とは、高校・大学の頃に池波正太郎や藤沢周平の文庫本を融通しあい、その後は塩野七生さんの「ローマ人の物語」を借りたりしていたのですが、このブログを読んで帚木さんの著作を手にとってくれたようです。少しずつ輪が広がるようで、うれしいです。

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コメント

「千日紅(せんにちこう)の恋人」、買いました。
第11刷までいっているんですね。第1刷を入手です、んんっ??

本年も良書紹介、よろしくお願いいたします!
m(_ _)m

adlerさん、いつもありがとうございます(o^-^o)
初版ですか。生活圏内にブックオフがあるといいですね!
車で数分のところに「古本市場」があり、読まなくなったミステリーなどを売りに行きたいと思っているのですが、面倒くさがり屋の私は結局2年間足を踏み入れていません…今年こそ、南木さんの本を探しに行こうかな。

私もこの小説は大好きで、もう何度も読み返しています。帚木先生の著書は、大変テーマが幅広いのですが、どれも帚木先生の人間に対する優しい眼差しが感じられる気がします。また、自分の役割を誠実に全うする人の姿には、心が洗われる思いです。

山内さま、コメントありがとうございますm(_ _)m
本当に、心が温かくなり、またいずまいを正してがんばらねば、という気にさせてくれる作品でした。
これから初期の作品も読んでみたいと思っております。おすすめがあれば、よろしくお願いいたします。

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